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 小さな華が地面を照らす

「あー、また落ちた」
 キュウはため息をついて、終わった花火を水を張ったバケツへ放り込む。
「キュウは、線香花火向いていないよな」
「そーゆーキンタだって」
 速いペースで手元の線香花火がなくなる2人に、メグはクスリと笑って火をつける。最初はパチパチと大きく、次第に小さくなっていく火花。
「あのなぁ、俺はその気になれば最後までいけるっての。お前よかじっとしてるのは得意なんだから」
「じゃぁ、勝負しようよ。ねぇ、リュウ、審判お願い」
「…審判って…?」
 顔を上げた際に手元が揺れ、随分と大きくなっていた火玉を落としてしまったリュウは、少し残念そうだった。
「んなものいらねーだろ。一緒に火をつければいいんだから」
 早々と火にかざそうとするキンタに、キュウはちょっと待ってと束になった線香花火から1本を取り出す。
「じゃぁ、いっせーのせ、で」
 息を合わせて火をつける。何もそんなに真剣にならなくても、と思いつつ、メグもリュウも成り行きを見守る。
 火花が散る。1秒、2秒…。
 沈黙が破られたのは、すぐだった。シューッという鋭い音と共に走り回る煙。
「きゃぁっ?!」
「うぉ?!」
「わっ」
 火玉どころか花火そのものを落とした2人は、家の主を睨みつける。
「おい、カズマ、何すんだ!」
「ごめーん。何か、真剣だったからつい」
 ニヤニヤしながら、ねずみ花火を手にしたカズマはもう一個つける?と訊いてきた。
「男の勝負の邪魔をするな!」
「随分地味な勝負だね」
 時計を見てカズマは、もう始まるよ、と呟いた。
「せっかく絶好のロケーションの別荘に招待したんだからさ、何も線香花火なんてやらなくてもいいじゃん」
「だって待ちきれないんだもん」
 キュウが立ち上がる。今日は花火大会だ。カズマの別荘からよく見える、ということでDDSが終わって速攻で押しかけた。
「2階のベランダからが一番だよ。冷えたスイカがもうすぐ来るし」
 ヒュゥ、と遠くで音がした。続いて、一瞬だけ明るくなる空。
「あ、始まっちゃった!」
 早く、と真っ先に家の中へ駆け込むキュウに、僕の家なんだけど、とカズマが続く。ガキだなあいつも、とキンタはろうそくの火を消して、メグとリュウを促した。
「ま、夏はパーッと派手に、が日本男児だよな!」




050813
Qクラス。まんま「花火」。特に意味もない日常風景。1期生トリオが暗めの話になってしまったので、明るく行こう!みたいな。明るい話だったら彼らの日常生活で十分じゃん、と思ったり思わなかったり…。



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